序 章
第1章 ライヴ性へのオブセッション──「巻き込み型」のソヴィエト・プロパガンダ
1 アヴァンギャルド演劇から祝祭イベントへ
2 祝祭パレードの即興対話劇
3 「いま・ここ」のメディア表現
4 トレチャコフとオーチェルク文学
第2章 ユーゴ公式文化の基層──大戦間期から第一次五カ年計画まで
1 ベルリン・コネクション
2 パリ・コネクション
3 ソヴィエト・モデルの諸相
4 コミンフォルム追放と文化の「自由化」
第3章 拡大する国土──鉄道建設のドキュメンタリー映画
1 ソ連・トゥルクシブ鉄道
2 ソヴィエト映画『トゥルクシブ』
3 ユーゴの映画普及化キャンペーン
4 ユーゴ映画『青年鉄道シャマツ=サラエヴォ』
5 『青年鉄道シャマツ=サラエヴォ』と「視点の外部化」
6 結び──視点の内部化/外部化
第4章 国家のセルフポートレイト──グラフ誌『ソ連邦建設』と『ユーゴスラヴィア』
1 フォトジャーナリズムと『ソ連邦建設』
2 『ソ連邦建設』のフォトオーチェルク
3 『ユーゴのグラフ誌『ユーゴスラヴィア』
4 『ユーゴスラヴィア』における文化遺産のテーマ
5 「隠れた元型」のフォトシリーズ
6 結び──「いま・ここ」の仕掛け/「元型」の回帰
第5章 英雄たちの顔──スタハノフとシロタノヴィッチ
1 「新しい人間」とスタハノフ運動
2 スタハノフのメディア・イメージ
3 ユーゴの「新しい人間」プロパガンダ
4 ユーゴの労働英雄シロタノヴィッチ
5 シロタノヴィッチの顔をめぐって
6 結び──更新されるイメージ/瞬間のイメージ
終 章
あとがき
注
索 引
亀田真澄(かめだ・ますみ)
1981年、奈良県生まれ。ロシア・東欧文化、現代文芸論、表象文化論。東京大学文学部卒。東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了、ザグレブ大学人文社会系研究科博士課程留学を経て(2007-2009年)、2013年、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了(文学博士)。現在、日本学術振興会特別研究員(PD)。