はじめに
序章 概括的展望 オプチナ修道院とロシア知識人
第一部
第一章 ロシア正教と禁欲主義の伝統
──ロシアにおけるフィロカリアの受容について──
第二章 イイススの祈りと「知恵のいとなみ」
──ビザンツとロシアの祈りのコスモロジー──
第三章 近代ロシアの修道制と長老制の発展について
──オプチナ修道院前史より──
第二部
第四章 キレエフスキーの正教思想とオプチナ修道院
──妻ナターリアやマカーリイ長老との霊の交流の記録から──
第五章 ゴーゴリの宗教的世界観
──聖地巡礼からオプチナ修道院へ──
第六章 レオンチェフの思想遍歴とオプチナ修道院
第七章 レフ・トルストイとロシア正教会
第八章 ドストエフスキーとオプチナ修道院
第三部
第九章 オプチナ修道院における聖師父文献の出版事業(一)
──パイーシイ・ヴェリチコフスキーからキレエフスキーにいたる聖師父文献の翻訳史をめぐって──
第十章 オプチナ修道院における聖師父文献の出版事業(二)
──ロシア修道制の発展における祈りの定義とキレエフスキーの思想形成への影響をめぐって──
おわりに
文献一覧
ロシア語レジュメ
清水俊行(しみず としゆき)
東京外国語大学外国語学部ロシア語科卒業、東京外国語大学大学院外国語学研究科スラブ系言語専攻修士課程修了、一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程満期退学。
研究分野:ロシア正教思想史および精神史の文脈から、ロシアにおける聖師父文献の翻訳出版活動や修道院と世俗文学との交流を跡づけ、ロシア文化の霊性の発展を探ろうとする。
共著:『異郷に生きるー来日ロシア人の足跡』(「宣教師セルギイ(ストラゴローツキイ)の見た日本人ー最初の来日時(明治23年〜26年)を中心に」)、『異郷に生きるII—来日ロシア人の足跡』(「宣教師アンドロニクの日本滞在記より— 明治31年初頭から同年5月大阪赴任まで—」)、『遥かなり、わが故郷— 異郷に生きるIII』(「宣教師アンドロニクの日本滞在記より(二)—大阪赴任時代(明治31年5-6月)」)、『異郷に生きるIV ー来日ロシア人の足跡』(「宣教師アンドロニクの日本滞在記より(三)— 東京の宣教団にて(明治31年6月22日〜8月21日)」)、『異郷に生きるⅤ—来日ロシア人の足跡』(「宣教師アンドロニクの日本滞在記より(四)──再び 大阪にて(旧暦1898年〔明治31年〕8月22日―10月9日」)、『異郷に生きるVI ー来日ロシア人の足跡』(「宣教師アンドロニクの日本滞在期(五)ー 帰京から帰国まで(1898年〔明治31年〕10月10日-10月31日」)