まえがき──「名誉回復」と新たな関心
第I章 フランクとの論争──インテリゲンツィヤとメシチャンストヴォ
第II章 ゴーリキーとの文通──対立と友好の軌跡
1.はじめに
2.雑誌『遺訓』をめぐって[第一〜六信]
3.ドストエフスキー『悪霊』上演をめぐって[第七〜九信]
4.その他の手紙[第一〇〜一六信]
5.流刑者と作家同盟議長
第III章 宗教哲学協会との確執
1.はじめに
2.「黒いロシア」
(1) レーミゾフ『第五の悪』の概略
(2) プリーシヴィン『ニーコン・スタロコレンヌイ』の概略
(3) イヴァーノフ=ラズームニクの両作品解釈
3.モスクワ宗教哲学協会批判──「苔むす湿原」と「現代のスタロコレンヌイ」
(1) ブルガーコフ論文の要旨
(2) イヴァーノフ=ラズームニクのブルガーコフ批判
4.ペテルブルク宗教哲学協会批判──「南京虫的ガリガリ亡者」
(1) ペテルブルク宗教哲学協会年次大会をめぐる論争
(2) 生命なき言葉の氾濫
(3) 内在主義と超越主義
5.結びに代えて
第IV章 世界大戦の勃発──反戦と祖国防衛
1.はじめに
2.世界大戦勃発とイヴァーノフ=ラズームニク
3.戦争の「倫理的」合理化──リベラル
(1) イヴァーノフ=ラズームニクのリベラル批判
(2) リベラルの主張
a ストルーヴェ/b イズゴーエフ/c コトリャレフスキー
4.戦争の「哲学的」合理化──メシア主義的な現代のスラヴ主義者
(1) イヴァーノフ=ラズームニクのメシア主義者批判
(2) メシア主義的な現代のスラヴ主義者の主張
a ブルガーコフ/b ヴャチェスラフ・イヴァーノフ/c エルン/d ベルジャーエフ
5.戦争の「社会学的」合理化──開戦支持の社会主義者
(1) イヴァーノフ=ラズームニクの社会主義者批判
(2) プレハーノフの主張
6.おわりに
第V章 スキタイ人の流浪
1.はじめに
2.占領地住民
3.「異郷」への旅立ち
4.監視収容所
(1) バラックでの日常生活
(2) 外部への発信1──リトアニアの従兄弟一家
(3) 外部への発信2──『新しい言葉』紙
5.亡命作家たちとの交流
(1) パリ・グループ
a ニーナ・ベルベーロヴァ/b ボリス・ザイツェフ/c レーミゾフ夫妻
(2) プラハ・グループの人々
a エヴゲーニー・リャーツキー/b アリフレート・ベーム/c ポーストニコフ夫妻
(3) その他の人々
a 掌院イオアーン(シャホフスコーイ)/b ゲオルギー・イヴァーノフ/c フョードル・ステプーン/d アルトゥール・リューテル
6.最後の日々と遺稿
(1) 北米への視線
(2) 遺稿をめぐって
補 論 未刊の弁人論周辺
1.はじめに
2.弁人論をめぐる情報
3.若き日の探求
4.「生の意味再論」について
5.ブロークへの手紙
あとがき
註
索引
松原広志(まつばら・ひろし)
1942年生まれ。龍谷大学名誉教授。著書に『ロシア・インテリゲンツィヤ史──イヴァーノフ=ラズームニクとカラマーゾフの問い』(ミネルヴァ書房、1989年)、共著に『ロシア近現代史──ピョートル大帝から現代まで』(ミネルヴァ書房、1999年)、共編著に『文化交流のエリアスタディーズ──日本につながる文化の道』(ミネルヴァ書房、2011年)、訳書に『監獄と流刑──イヴァーノフ=ラズームニク回想記』(成文社、2016年)がある。